飲酒運転と過失割合
1 飲酒運転と交通事故
飲酒運転による重大な被害事故が多発したことが社会問題となり、厳罰化が図られたり、飲食店においてもドライバーへ酒類を提供しないことが徹底されるようになり、近年では飲酒運転の検挙率は減少傾向にあるといわれています。
しかし、飲酒運転が完全になくなったわけではなく、相手方の飲酒運転によって交通事故に巻き込まれてしまう方もいらっしゃいます。
では、交通事故の相手方が飲酒運転だった場合、通常の場合よりも相手方の過失割合が高くなるのでしょうか?
2 飲酒運転と過失割合
そもそも、過失割合とは、当該交通事故の発生について双方当事者にどれほどの責任があるのかを判断するものです。
そして、過失割合に関する基本的な考え方は、別冊判例タイムズNo.38という書籍の中で、事故類型ごとに基本的な過失割合が記載されています(裁判官や弁護士も過失割合を判断する際にはこの書籍を参考にすることが多いです。)。
例えば、信号待ち中に後ろから追突されたような場合には過失割合は0:100、一時停止を無視して交差点に進入した車との出合い頭での衝突事故であれば20:80などとされています。
過失割合は、個別的な事故態様を基にこの書籍に記載されている基本過失割合を参照して判断され、具体的な事故状況の中で過失割合を修正すべき要素があった場合には、過失割合の修正が行われます。
相手方が飲酒運転をしていたという事情は、判断能力や反応速度の低下、場合によってはスピード違反や居眠り運転を誘発する危険な運転をしていたという点で、交通事故の発生に対する重い責任があると考えられ、「著しい過失」または「重大な過失」があるとして、相手方の過失割合が高まる要因になり得ます。
なお、「著しい過失」にあたるか「重大な過失」にあたるかは、飲酒酩酊の程度(酒気帯びか酒酔いか)によって判断が分かれます。
3 交通事故のご相談は弁護士法人心 名古屋法律事務所まで
相手方の飲酒運転で交通事故に遭ってしまい、過失割合について知りたいという方は、弁護士法人心 名古屋法律事務所までご相談ください。
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