頚椎捻挫・腰椎捻挫・腰椎破裂骨折の交通事故慰謝料相談
1 頚椎捻挫・腰椎捻挫・腰椎破裂骨折の慰謝料の種類
頚椎捻挫・腰椎捻挫・腰椎破裂骨折の慰謝料として慰謝料には、①傷害(入通院)慰謝料と②後遺障害慰謝料の2種類があります。
⑴ ①傷害(入通院)慰謝料について
①は、事故日(ないし通院開始日)から最終通院日(または症状固定日、打ち切り日)までの期間に応じてもらえるものです。
すなわち、事故に遭わなければ、通院によって時間と労力を無駄にしていること、事故によるケガで身体の痛みに苦労しているなど、精神的苦痛に対する慰謝料です。
①は期間が長くなればなるほど高額になるものです。
たとえば、頸椎捻挫・腰椎捻挫の場合における通院慰謝料について、裁判所基準(※裁判所基準の意義等の詳細は2で説明しております。)では、1か月の通院で19万円、3か月の通院で53万円、6か月の通院で89万円になります。
一方で、腰椎破裂骨折の通院慰謝料について、裁判所基準では、1か月の通院で28万円、3か月の通院で73万円、6か月の通院で116万円になります。
⑵ ②後遺障害慰謝料について
②は、症状が残存し後遺障害が認定された場合に、賠償されるものになります。
ア 頚椎捻挫や腰椎捻挫などでは、他覚的所見がある場合には12級に該当する可能性がでてきますが、他覚的所見がない場合には14級か非該当(等級がつかないこと)となります。
12級の裁判所基準の後遺障害慰謝料は290万円、14級の裁判所基準の後遺障害慰謝料は110万円です。
イ 腰椎破裂骨折によって、腰部の機能障害や変形障害が生じた場合にもその障害の程度に応じて、6級・8級・11級の等級が認定される場合があります。
6級の裁判所基準の後遺障害慰謝料は1180万円、8級の裁判所基準の後遺障害慰謝料は830万円、11級の裁判所基準の慰謝料は420万円です。
2 慰謝料の適正な基準とは
保険会社からの賠償金の提案内容として、低額な賠償金を提示されることが多いです。
具体的には、裁判所の認定する支払基準より低額な基準である自賠責基準や任意保険基準で提案されることが多いです。
以下では、傷害慰謝料と後遺障害慰謝料について、適正な基準(裁判所基準・弁護士基準)と自賠責基準等の違いについてご説明いたします。
⑴ 傷害慰謝料について
保険会社が提示する基準は、3つあります。
低い金額の方から、a自賠責基準<b任意保険会社基準<c裁判基準です。
ア a自賠責基準について
総治療期間(事故日から最終通院日)×4300円と実治療日数(実際に病院に行った日数)×2×4300円のいずれか低い金額が提示されるのが一般的です(令和2年4月1日以降に発生した交通事故の場合)。
イ b任意保険会社基準について
任意保険会社独自の基準なので、明確な算定式は公にされておりませんが裁判所基準よりは低額です。
ウ c裁判基準について
頚椎捻挫や腰椎捻挫であれば、1か月の通院で19万円、3か月の通院で53万円、6か月の通院で89万円になります。
たとえば、通院期間150日、実通院日数50日のケースの場合には、自賠責基準では通院期間150日×4300円=64万5千円>実通院日数50日×2×4300円=43万円となりますので、自賠責基準では43万円となります。
これに対して、裁判所基準では通院期間150日間を基準として、慰謝料が79万円になります。
この事例では、36万円もの差が生じることになります。
⑵ 後遺障害慰謝料について
- ア 6級の場合
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自賠責基準では512万円である一方で、裁判基準では1180万円です。
- イ 8級の場合
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自賠責基準では331万円である一方で、裁判基準では830万円です。
- ウ 11級の場合
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自賠責基準では136万円である一方で、裁判基準では420万円です。
- エ 12級の場合
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自賠責基準では94万円である一方で、裁判基準では290万円です。
- オ 14級の場合
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自賠責基準では32万円である一方で、裁判基準では110万円です。
このように適正な基準である裁判所基準と自賠責基準等では大きな金額差があります。
保険会社から賠償金を提案されても、すぐには示談せず、ぜひ一度弁護士にご相談ください。
3 交通事故の示談交渉は弁護士にお任せを
相手方(任意)保険会社との示談交渉は、ご本人様だけでやられますと、適正な賠償金額の提示がされることは少ないです。
仮に、裁判基準を知っていたとしても、弁護士に依頼しないケースですと、裁判所基準での慰謝料を獲得することができないことが多いです。
交通事故の示談交渉は、弁護士にぜひお任せください。
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