『交通事故』の被害相談 by 弁護士法人心 名古屋法律事務所

交通事故被害相談@名古屋

子ども(幼児・児童・学生)の賃金センサスの男女の差について

賃金センサスとは,賃金構造基本統計調査の結果のことです。

賃金構造基本統計調査とは,厚生労働省が主管となり,我が国の賃金構造の実態を詳細に把握することを目的として行われています。

なお,センサスとは,census(英語)をカナ読みしたもので,主な意味は,人口調査,国勢調査です。

この賃金センサスを用いる場面は,交通事故で子どもに後遺障害が残ってしまった場面です。

後遺障害は,将来的に回復困難な症状ですので,将来的に発生する収入減少(いわゆる逸失利益)を損害として算出する必要があり,具体的には「基礎収入×労働能力喪失率×労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数」という計算式を用います。

このうち,基礎収入は,原則として交通事故が発生する前の現実収入に基づきますが,子どもは,労働に従事していないのが通例であることから,基礎収入にそのまま該当するものがありません。

とはいえ,後遺障害が残ったにもかかわらず,子どもに逸失利益を認めないのは,公平を欠くことになるので,賃金センサスを基礎収入として用いて逸失利益を算出しています。

このような算定は,仮定に基づくものとなるので,大なり小なり実際の逸失利益とはかい離が生じる可能性が否めませんが,将来的において,不足分を請求したり,余分なものを返還したりといったことはなされません。

賃金は,地域によって格差があり,名古屋の平均賃金と他の地域のそれとが同じにはなりませんが,後遺障害における逸失利益の算定において,地域差は考慮されません。

名古屋居住であろうと他の地域居住であろうと,基本的に扱いに違いは生じません

子どもの賃金センサスとして用いるのは,賃金センサス第1巻第1表の産業計,企業規模計,学歴計,男女別全年齢平均の賃金額です。

大学生の場合は,大卒の賃金センサスが基礎収入とされますが,大学生になっていない場合でも,大学進学の可能性が高いと認められれば大卒の賃金センサスが用いられることがあります。

賃金センサスは,男女で分けられており,男性労働者の方が平均的に高めの金額となっています。

男女共同参画が謳われる昨今ですが,未だ社会構造としては,男性労働者の方が女性労働者に比して高い賃金を得ているのが実情です。

しかし,女性であっても,男性以上の収入を得られる可能性はあり,将来性豊かな子供においては特にそれが顕著に認められます。

そのため,女子の基礎収入としては,女性労働者の全年齢平均賃金ではなく,男女を含む全労働者の全年齢平均賃金を用いるべきとされています。

交通事故で不幸にも子どもに後遺障害が残ってしまった場合は,当法人のように,交通事故を主要業務として取り扱う弁護士が多数所属している弁護士事務所・法人に相談されることをお勧めします。

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子どもの後遺障害と将来的な収入

子どもが交通事故にあい,後遺障害が残ってしまった場合,それによって将来的な収入にも影響が及ぶおそれがあります。

既に収入のある大人であれば,事故前の収入額を参考に計算できますが,子どもの場合はそういうわけにもいきません。

子どもの場合には,当ページにありますように賃金センサスを用いるなどして計算することになります。

様々なことを調べながらご自分で適切な損害賠償金額を出し,それをもとに相手方の保険会社と交渉するというのは,とても大変なことかと思います。

しっかりと調べていても,保険会社も個人の方相手ではなかなか増額には応じてくれませんので,やはり弁護士に依頼をして示談交渉を任せてしまうのがよいかと思います。

当法人に依頼する場合,弁護士費用特約がついている場合には,多くのケースで皆様のご負担はありません。

名古屋だけでなく全国の交通事故被害者の方に対応しておりますので,交通事故にあわれた方は弁護士法人心 名古屋法律事務所まで,ぜひお気軽にご相談ください。

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