後遺障害等級9級の慰謝料増額交渉
1 保険会社の示談にすぐに応じていいの?
交通事故に遭ってしまい、保険会社との交渉で後遺障害等級9級と言われたけど、保険会社から提示された慰謝料の金額が低すぎて納得できない。
でも、これ以上慰謝料の金額が上がるのか分からない・・・。
このようなお悩みをお持ちの方もいらっしゃるかと思います。
事故により負ってしまった後遺障害について正当な賠償を受けるためには、まずは適正な後遺障害認定を受けることが大切です。
しかし、ただ認定を受けるだけでは不十分で、適切な慰謝料を支払ってもらうためには、保険会社との交渉が非常に重要です。
後遺障害の慰謝料は、保険会社との交渉次第で増額できる可能性があり、同じような後遺障害を負った場合でも、誰が交渉をするかで全く違う示談金額になることもあるのです。
2 知らないと損!?3つの基準
そもそも、後遺障害の慰謝料を計算する基準には、「自賠責基準」「任意保険基準」「弁護士基準」の異なる3つの基準があり、それぞれの基準で算出される慰謝料の金額が違います。
「弁護士基準」とは、裁判所での手続きになったときに裁判所で用いられる基準で、一番金額の高い基準です。
しかし、保険会社が示談交渉をするとき弁護士基準を使うことはほとんどなく、もっと低い金額の基準で交渉を始めることがほとんどです。
慰謝料の計算をする基準が複数あることは言わず、「これ以上は出せない」「適切な金額の慰謝料ですよ」などと言って、より低い金額で被害者の方と示談をまとめようとしてくる保険会社も存在します。
3 「弁護士基準」で交渉しよう
しかし、弁護士が介入すると、弁護士が弁護士基準で慰謝料を請求することは明らかなので、保険会社としても、弁護士基準での交渉に応じざるを得なくなります。
例えば、自賠責保険の基準だと後遺障害第9級の賠償金額は後遺障害慰謝料も含めて全部で616万円とされていますが、弁護士基準だと、後遺障害慰謝料だけで690万円(財団法人日弁連交通事故相談センター東京支部「損害賠償額算定基準上巻」によった場合)程度が認められることもあり、大きな金額のひらきがあります。
4 更に増額が認められることも・・・。
また、加害者に故意や重過失がある場合、加害者の態度が不誠実である場合など、一定の場合には更に慰謝料の増額が認められる場合もあります。
このような増額事由は、事故発生時からその後の交渉経緯など、全ての事情を検討してから、増額事由を保険会社との交渉において効果的に主張する必要があります。
5 示談に応じる前に弁護士に相談しよう!
保険会社から示談額を提示されている被害者の方は、提示額をそのまま鵜呑みにするのではなく、一度弁護士にご相談することをお勧めします。
後遺障害慰謝料は不幸にも事故で負ってしまった被害者の方の後遺障害を補填し、今後の生活に使っていただくべきお金です。
保険会社としっかり交渉し、正当な賠償を受け取りましょう。
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