『交通事故』の被害相談 by 弁護士法人心 名古屋法律事務所

交通事故被害相談@名古屋

死亡による慰謝料

  • 文責:弁護士 上田佳孝
  • 最終更新日:2022年5月12日

1 死亡による慰謝料とは

死亡による慰謝料とは、被害者が亡くなった場合に被る精神的な苦痛を金銭的に賠償するものです。

最も望まれるのは、被害者が生きて戻ってくることですが、それは叶わないことから、民事上は金銭賠償によって償われるしかないところです。

そして、その遺族が受け取ることのできる慰謝料としては、①亡くなった被害者固有の慰謝料と、②被害者の近親者の慰謝料の2つがあります。

2 亡くなった被害者固有の慰謝料

亡くなった被害者固有の慰謝料とは、亡くなった被害者の精神的な苦痛を金銭的に賠償するものです。

亡くなった被害者固有の慰謝料請求権は、その被害者の相続人が相続することになります。そのため、その相続人が被害者に代わって、加害者等に対して、慰謝料を請求することになります。

慰謝料の具体的な金額ですが、実務上、一定の基準が設けられています。

まず、裁判所の基準では、被害者が一家の支柱であった場合には2800万円、被害者が母親、配偶者であった場合には2500万円、被害者が独身の男女、子供、幼児等であった場合には2000万円から2500万円が一つの目安とされています。

これらの金額には、下記3で述べる被害者の近親者の慰謝料も含みます。

次に、任意保険会社の基準については、保険会社によって異なりますが、一般に裁判所の基準額よりもかなり低額となっています。

自賠責保険による基準では、亡くなった被害者固有の慰謝料は400万円とされています(令和2年4月1日以降に発生した交通事故の場合)。

ただし、被害者に扶養家族がいる場合には200万円が加算されます。

参考リンク:国土交通省・自動車総合安全情報・死亡による損害

3 被害者の近親者の慰謝料

⑴ 近親者の慰謝料とは

近親者の慰謝料とは、亡くなった被害者の近親者の精神的苦痛を金銭的に賠償するものです。

近親者の範囲は、民法上、被害者の父母・配偶者・子供とされています。

ただし、裁判上、これらの人に匹敵するほど近しい関係にある近親者にも、慰謝料請求権が認められる場合もあります。

内縁状態の方についても認められますが、具体的な立証が必須でしょう。

⑵ 近親者の慰謝料の金額

被害者の近親者の慰謝料の金額についても、実務上、一定の基準が設けられています。

まず、裁判所の基準ですが、前記2に記載した金額が近親者の慰謝料も含むとされています。

次に、任意保険会社の基準については、保険会社により異なりますが、一般に裁判所の基準よりもかなり低額となっています。

そして、自賠責による基準では、請求する者が1人である場合には550万円、2人の場合には650万円、3人以上の場合には750万円とされています。

4 代理人対応をして思うこと

後遺障害についてはその程度や具体的業務への影響等について、加害者側が争う余地がなくはありません。

しかし、死亡事件については、程度を争うということは基本的に難しいですし、良くも悪くもこれまでの裁判例・信頼のある実務本によって、死亡慰謝料はおおよそ導き出されます。

にもかかわらず、被害者遺族が弁護士を入れていない場合はもちろん、入れている場合であっても、加害者側からかたくなに低い金額しか提示されない場合が少なくありません。

それがなぜなのかは不明ですが、被害者側がそのような低い提示を受け入れるべき理由はなく、訴訟提起も含めて適正な金額の賠償を求めていくべきでしょう。

言うまでもなく、訴訟対応を個人で適切に遂行するのは簡単ではありません。

弁護士法人心は、交通事故の訴訟対応を得意とする弁護士が多数在籍していますので、ぜひご相談いただきたいと思います。

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自動車を運転する人には,交通ルールを守って,最新の注意を常に払いながら,周囲の人や物等に危害を与えないように運転する責任があります。

運転者が,この責任を果たさず,交通事故を起こしたり,交通違反を起こしてしまった場合には,加害者は主に3つの責任を負うことになります。

1つ目は,民事上の責任です。

民事上の責任とは,「加害者が事故の被害者に与えた損害を賠償しなくてはならない。」という責任のことです。

「被害者に与えた損害」とは,怪我の治療費や自動車等の物の修理代,会社を休んだために給料が支給されなかったこと等が挙げられます。

加害者は,金銭をもって被害者に与えた損害の回復を図るしか,実質,責任を取ることができないことなどから,自身が加入する自動車保険を使い,被害を賠償します。

自動車保険に入っていなければ,加害者は,何百万,何千万,何億円といった損害賠償請求を受けることとなりますので,自動車保険に入っておくことがとても重要です。

2つ目の責任は,刑事上の責任です。

加害者は,交通事故を起こしたり,交通違反を行ったりすると,その内容により,自動車運転過失致死傷罪等の刑事罰に問われます。

加害者は,懲役刑を受けたり,罰金刑を受けたりすることにより,その責任を負わされることとなります。

3つ目の責任は,行政上の責任です。

加害者は,公安委員会という行政庁より,運転免許の停止や取り消しといった処分を受けることとなります。

これらの3つの責任は,目的が違いますので,例えば刑事上の責任を負わなくてよかった場合でも,民事上の責任は負わなければならないことがあります。

加害者の責任は主に3つの責任であると言いましたが,責任以外にも加害者が負うものはたくさんあります。

例えば,被害者からの恨みを買うこと,会社を休むことにより仕事に支障が出ること,支障が出て結果的に会社を辞めざるを得なくなること等です。

交通事故の被害者になっても,加害者になっても失うものはたくさんあります。

日頃から交通ルールを守って,事故の被害者にも加害者にもならないようになれるとよいものです。

万が一,名古屋で交通事故に遭われた場合は,弁護士法人心までご相談ください。

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