『交通事故』の被害相談 by 弁護士法人心 名古屋法律事務所

交通事故被害相談@名古屋

損害賠償請求権の消滅時効

  • 文責:弁護士 上田佳孝
  • 最終更新日:2023年8月4日

1 損害賠償請求の期間制限について

交通事故の損害賠償請求について、期間制限があることはご存知でしょうか。

名古屋の交通事故の被害者の方が損害賠償請求をする際には、損害賠償請求の期間制限にも注意が必要です。

交通事故は、法律の専門用語でいうと不法行為というものにあたります。

不法行為に基づく損害賠償請求権の消滅時効は、人の生命又は身体を害する不法行為の場合(人損事故の場合)は、損害及び加害者を知った時から5年、それ以外の場合(物損事故など)は、損害及び加害者を知った時から3年になります。

2 損害及び加害者を知った時

では、具体的に「損害及び加害者を知った時」とはどのような場合をいうのでしょうか。

加害者を知った時とは、昭和48年11月16日付の最高裁判所判決で、「加害者に対する賠償請求が事実上可能な状況のもとに、その可能な程度にこれを知った時を意味するものと解するのが相当」と判断されています。

そのうえで、被害者が不法行為の当時加害者の住所氏名を知らず、しかも当時の状況においてこれに対する賠償請求権を行使することが事実上不可能な場合においては、その状況が止み、被害者が加害者の住所氏名を確認したとき、初めて加害者を知りたる時に当たるというべきと判断しています。

なお、この判例は交通事故に関する判例ではありませんが、加害者を知った時の解釈を示したものとして必須の判例です。

3 損害を知った時

次に、損害を知った時とはいつを指すのでしょうか。

これに関しては、平成14年1月29日付の最高裁判所判決は、「民法724条にいう被害者が損害を知った時とは、被害者が損害の発生を現実に認識した時をいうと解すべきである」と判断しています。

また、被害者が損害の発生を現実に認識した時について、後遺障害による損害については症状固定時から、それ以外の損害(治療費や休業損害等)については事故時からそれぞれ消滅時効が進行するという見解や後遺障害による損害だけでなくそれ以外の損害も含めた全損害について症状固定時から消滅時効が進行するという見解があるといわれています。

4 後遺障害等級認定の消滅時効

以上の話とは別に、自賠責保険における後遺障害等級認定の消滅時効は別に存在します。

消滅時効について気になるようでしたら、弁護士に相談されることをおすすめいたします。

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交通事故の損害賠償請求権の消滅時効について

消滅時効の起算点

「時効」と聞くと、刑事事件を思い浮かべることが多いかもしれませんが、民事事件にも消滅時効があり、交通事故の損害賠償請求もその中に含まれます。

では、いつから消滅時効へのカウントダウンが始まるのかというと、「被害者が、損害及び加害者を知った時」であり、一般的には、「交通事故が発生した日」とされています。

しかし、すべての事故において、事故発生日が消滅時効の起算点とされるわけではありません。

事故発生当時、必ずしも被害者が「損害及び加害者を知った」状態であるとは言えないからです。

まず、加害者については、事故発生当時、事故やけがの状況などによって、その氏名や連絡先住所を正確に把握できず、事故から数日経って知ることは少なくありません。

事故発生日から加害者の情報を知るまでの期間は、事実上、加害者への賠償請求ができない状態だったため、消滅時効は進行しない可能性があります。

次に、損害についてですが、交通事故の場合、事故発生日にその損害のすべてを把握することは困難です。

なぜなら、事故によってけがを負い、必要な期間治療を行い、治療終了時の症状によっては後遺障害が残ることもあり、これらの過程を経て、ようやく事故のすべての損害額が確定するからです。

ただし、前述の過程において、どの時点が「損害を知った時」ととらえるのかが問題となります。

弁護士にご相談ください

消滅時効については、適切に判断するためには、専門的知識が必要ですので、お早めに弁護士にご相談ください。

当法人は、名古屋駅2分の場所にあり、電話でのご相談も承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。

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