『交通事故』の被害相談 by 弁護士法人心 名古屋法律事務所

交通事故被害相談@名古屋

交通事故と刑事責任

  • 文責:弁護士 上田佳孝
  • 最終更新日:2022年1月20日

1 刑事責任とは

刑事責任とは、罰金や禁固・懲役といった刑事罰を与えられることをいいます。

例えば、自動車や原動機付自転車(いわゆる原付)の運転中に交通事故を起こし、人に怪我をさせたり、死亡させたりしてしまった場合は、「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(自動車運転処罰法)」に定められている罪にあたるとして、刑事罰を受ける可能性があります。

2 交通事故を起こした場合に課せられる刑事罰の内容

⑴ 過失運転致傷罪(自動車運転処罰法5条)

自動車やバイクを運転する者が、運転上の注意を怠り、人にケガをさせたり死亡させたりしてしまった場合に適用されます。

(自動車運転処罰法5条)

自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、七年以下の懲役若しくは禁錮又は百万円以下の罰金に処する。

ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。

⑵ 危険運転致死傷罪(自動車運転処罰法2条・3条)

単なる不注意ではなく、特に危険で悪質な行為を行った結果、人にケガをさせたり死亡させてしまった場合に適用されます。

具体的には、以下の自動車運転処罰法2条及び3条に挙げられている行為を行って人身事故を起こした場合に危険運転致死傷罪が適用されます。

この危険運転致死傷罪が適用されると、非常に重い懲役刑が課せられる可能性があります。

(自動車運転処罰法2条)

次に掲げる行為を行い、よって、人を負傷させた者は十五年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は一年以上の有期懲役に処する。

  1. 一 アルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させる行為
  2. 二 その進行を制御することが困難な高速度で自動車を走行させる行為
  3. 三 その進行を制御する技能を有しないで自動車を走行させる行為
  4. 四 人又は車の通行を妨害する目的で、走行中の自動車の直前に進入し、その他通行中の人又は車に著しく接近し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為
  5. 五 赤色信号又はこれに相当する信号を殊更に無視し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為
  6. 六 通行禁止道路(道路標識若しくは道路標示により、又はその他法令の規定により自動車の通行が禁止されている道路又はその部分であって、これを通行することが人又は車に交通の危険を生じさせるものとして政令で定めるものをいう。)を進行し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為

(自動車運転処罰法3条)

  1. 1 アルコール又は薬物の影響により、その走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で、自動車を運転し、よって、そのアルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態に陥り、人を負傷させた者は十二年以下の懲役に処し、人を死亡させた者は十五年以下の懲役に処する。
  2. 2 自動車の運転に支障を及ぼすおそれがある病気として政令で定めるものの影響により、その走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で、自動車を運転し、よって、その病気の影響により正常な運転が困難な状態に陥り、人を死傷させた者も、前項と同様とする。

⑶ 発覚免脱罪(自動車運転処罰法4条)

アルコールや薬物の摂取の証拠を隠秘する目的で事故発生後にさらにアルコールや薬物を摂取したり、事故現場から逃走し隠秘したりするなどの行為をした場合に適用されます。

(自動車運転処罰法4条)

アルコール又は薬物の影響によりその走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で自動車を運転した者が、運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた場合において、その運転の時のアルコール又は薬物の影響の有無又は程度が発覚することを免れる目的で、更にアルコール又は薬物を摂取すること、その場を離れて身体に保有するアルコール又は薬物の濃度を減少させることその他その影響の有無又は程度が発覚することを免れるべき行為をしたときは、十二年以下の懲役に処する。

3 交通事故に関するお悩みは当法人まで

少しの気の緩みが、被害者の方はもちろん、ご自身や家族の人生に大きな影響を与えることになりますから、決して危険な運転はされないようにしていただきたいです。

交通事故のことでお悩みの方は、一度弁護士法人心 名古屋法律事務所にご相談ください。

事故案件を得意としている弁護士がご相談を承ります。

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