玉突きの交通事故に遭った場合の対応
1 玉突きの交通事故とは?
交通事故の被害に遭われる方の中には,玉突き事故による被害に遭われる方もおられます。
玉突き事故とは,停車中に後ろから追突された結果,当該車両が押し出されて,前の車両に追突するような事故態様をいいます。
ビリヤードのように,衝突の衝撃が先へ先へと玉を突いたように連鎖するため,玉突き事故と形容されています。
2 玉突き事故の特殊性とは?
一般の追突事故と比較すると,玉突き事故は,後方から追突されるだけではなく,追突後に,前方の車両に衝突する結果,衝突の衝撃を2度受けることとなるため,身体に対する衝撃が大きくなると考えられます。
追突事故の被害で発症することの多いむち打ちの症状も,首が前後に振られることにより生ずるものであるため,後方のみならず,前方も衝突することで,後方のみの場合と比較して,より首が前後に振られることは,想像に難くないと思います。
3 玉突き事故の被害に遭った場合の対応方法は?
玉突き事故であっても,事故後の対応方法は,他の事故の場合と異なりません。警察に被害を申告して,必要に応じて,救急車を手配し,相手方や相手方の保険会社の連絡先などを確認して,保険会社と連絡を取りましょう。
4 交通事故が玉突きであった場合,誰に損害賠償請求ができるのか?
3台の玉突き事故があったと仮定します。
具体的には,3台目の車両が2台目の車両に追突し,その結果,2台目の車両が1台目の車両に衝突したとするものです。
1台目の車両からすると,現に衝突されたのは,2台目の車両となるため,2台目の車両に損害賠償を請求できるか問題となりますが,2台目の車両は,3台目の車両に追突された結果,やむを得ずに1台目の車両に追突したに過ぎません。
そのため,2台目の車両には過失がなく,玉突き事故の発端となった3台目の車両が1台目の車両と2台目の車両の損害を賠償する責任を負う,となることがほとんどです。
5 玉突き事故の過失割合
先ほども説明したように,3台の玉突き事故における2台目の車両は,3台目の車両に追突された結果,やむを得ずに1台目の車両に追突したに過ぎません。
そのため,1台目,2台目と3台目の過失割合は,通常,「0:0:100」となります。
6 交通事故の被害に遭った場合に弁護士へ相談するメリットとは?
玉突き事故の被害に遭われた場合,多くのケースでは,加害者の保険会社が被害者の治療費や休業損害の対応を行うこととなります。
多くの被害者の方にとって,交通事故の被害に遭われる経験は,一生に一度あるか否かです。
これに対し,保険会社は,交通事故を業務として日常的に対応しています。
そのため,交通事故の被害に遭われた方と保険会社の担当者の間には,交通事故の被害に関する対応について,圧倒的な情報格差があります。
また,保険会社は,「業務」として,交通事故被害者の方の対応を行います。
そして,交通事故被害者の対応を行うのは,「加害者」の保険会社担当者です。
保険会社は,株式会社であり,営利企業となります。
営利企業である保険会社にとって,被害者への保険金の支払は,「損失」にあたります。
そして,「加害者」の保険会社にとって,直接の契約者は,加害者であるため,何らの契約関係にない被害者に対し,保険金の支払を積極的に実施する動機は乏しいです。
このように,交通事故の被害者と加害者の保険会社担当者は,情報格差が大きいのみならず,対立関係の構造にあります。
これに対し,交通事故の被害に遭われた方から相談を受ける弁護士は,相談者である被害者の方の利益を考えて対応することとなります。
それゆえ,交通事故が得意な弁護士に相談をすることにより,加害者の保険会社担当者との情報格差を埋めることが可能となります。
7 弁護士法人心が複雑な交通事故にも対応可能な理由とは?
弁護士法人心の所属弁護士は,それぞれに得意分野をもって活動しており,交通事故を得意とする弁護士も多数所属しております。
交通事故を担当する弁護士は,月に2回程度の交通事故内部研修や損害保険料率算出機構のOB,顧問医などとの研修により日夜研鑽に励んでいます。
交通事故被害にお悩みの方は,弁護士法人心 名古屋法律事務所までご相談ください。
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