車にのせていた物が壊れてしまったのですが,損害として認められますか?
交通事故に遭われた被害者の方は,加害者に対して事故によって生じた損失を埋め合わせするように請求する権利を持ちます。
これを法的には,損害賠償請求といいます。
「損害」とは事故によって被った損失・マイナスのことだと思っていただければよいかと思います。
「賠償」とは,簡単にいってしまうと埋め合わせをして欲しいということです。
このような損害賠償請求についてですが,大きくお怪我にまつわる「人的損害」と,車の修理費などに関係してくる「物的損害」の二種類に分けられます。
物的損害については,通常①車両の修理費または車両の時価額,②レンタカー代,③レッカー代等が問題となることが多いです。
その他,一定の案件では格落ち損(いわゆる,「評価損」)や,休車損等も問題となることがあります。
自動車の積載物が損傷した場合についても,事故によって所有物が壊されたということになれば,損賠賠償請求が認められるのが原則です。
もっとも,積載物の損傷の場合,実際に加害者側に損害賠償を認めさせるのには,いくつかの難しい問題点をクリアする必要があります。
まず,積載物が本当に事故によって損傷したのかどうかという点です。
たとえば,車と車がぶつかって,双方の車のぶつかった箇所が整合するように傷ついているということであれば,事故が原因で車に傷がついたことを争う余地はほとんどありません。
しかし,たとえば車にパソコンを積んでいて,事故の衝撃で床に転落してパソコンが故障したというようなケースの場合,「そもそも,事故前からパソコンは故障していたのではないですか?」「事故後も,たまたま壊れたのではないですか?」という疑いを変えられることがよくあります。
裁判の仕組み上,損害賠償請求をする側の被害者の方が,事故が原因でパソコンが故障したということを証拠を出して証明する責任を負いますので,加害者側からこういう主張がだされたときに,証拠を出してきちんと反論することは決して容易なものではありません。
少なくとも,積載物が損傷した場合には,事故直後に積載物が物理的に衝撃をうけて損傷した写真を残しておいていただきように心がけていただければと思います。
また,積載物の損害賠償は,購入価格や再調達に必要な費用が全て賠償されるというわけでもありません。
減価償却の考え方を応用して,購入価格から金額を逓減させた時価額を損害賠償額として認めることが通常です。
名古屋で交通事故に遭われた際には,弁護士にご相談ください。
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