『交通事故』の被害相談 by 弁護士法人心 名古屋法律事務所

交通事故被害相談@名古屋

交通事故における素因減額とはなんですか?

  • 文責:弁護士 上田佳孝
  • 最終更新日:2022年4月21日

1 素因減額とは

素因とは、被害者が交通事故に遭う前から有していた心身の状態のことです。

交通事故が発生したとき、その損害の発生や拡大について、事故前から被害者に生じている心や身体に関する特別な事情が影響している場合に、その程度に応じて損害賠償額を減額することがあります。

これを「素因減額」といいます。

そもそも交通事故などの不法行為に基づく損害賠償の趣旨は、当時者間での損害の公平な分担にあります。

損害の公平な分担の趣旨に鑑み、損害の発生や拡大について被害者にも原因があれば、これを考慮して損害賠償額を減額する考え方が素因減額です。

2 素因の種類

素因には,①心因的素因と②体質的素因とがあります。

①心因的素因

心因的素因とは、被害者の心理的、性格的、精神的な問題点のことです。

うつ病やPTSDといった精神疾患のほか、自己中心的であったり、自己暗示にかかりやすい性格であったりすることなども心因的素因に含まれると考えられています。

心因的素因については、原因となった事故が軽微で通常は心理的影響を与える程度のものではなく、自覚症状に見合う他覚的な画像所見がないまま、相当期間を超えて治療や休業をしたような場合は、減額の対象となるとされています。

②体質的素因

一方、体質的素因とは、既往症や体質的疾患のことをいいます。

交通事故においては、ヘルニアや脊柱管狭窄症が問題になることが多いです。

体質的素因のうち、身体的特徴については、日常生活において、通常人に比べて慎重な行動をとることが求められているような特段の事情がない限りこれを考慮することができないとされています。

体質的素因のうち、疾患については、その疾患が損害の発生や拡大に影響したことが明らかである場合、加害者にすべての損害を賠償させるのが不公平であるといえるときは、これを考慮することができるとされています。

3 素因減額の主張を受けた場合

相手方から素因減額を主張されたような場合は、素因がどのようなものであるのか、事故前はどのような状態であったか、事故後はどのような症状でどのような治療を受けたのか、素因があるかないかで治療の行方も違ったものになったのかなどを検討していくことになります。

詳しい説明をお聞きになりたい方は、一度、当法人の弁護士までご相談いだければ幸いです。

当法人には交通事故に詳しい弁護士がおりますので、お気軽にご連絡ください。

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