交通事故案件を弁護士に依頼してからの解決までの期間はどのくらいですか?
まず,どのタイミングで弁護士に依頼するかによって,解決までの期間は異なります。
- 1 介入のタイミング
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交通事故発生直後には,警察や保険会社対応,病院への通院等,被害者の方が自ら行わなければならないことがたくさんあります。
しかし,交通事故にあった被害者の方は,怪我の痛みやショックで混乱し,どうしてよいかわからない状態であるのがほとんどですので,これらに適切に対応できない可能性があります。
たとえば,医師に正確に症状を伝えられなかったために,治療費の不当な打ち切りの遠因となったり,警察に事故状況を正確に説明できなかったために,過失割合が被害者に不利に認定されたりといったように,事故直後の対応を誤ると,その影響は後々まで響いてしまうことがあります。
そのため,適切に対応するには,事故直後から弁護士が介入することが望ましいといえます。
- 2 解決までの期間
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事故が解決に至るのは,相手方に損害賠償請求を行い,示談が成立したとき,若しくは,裁判等での解決(判決や和解)をみたときということになります。
損害賠償請求を行うタイミングは,通常は,必要な治療を終えて怪我が治癒したとき,もしくは,自賠責による後遺障害認定申請結果が出たときとなります。
後遺障害が残らない場合の示談交渉は,およそ3か月から6か月ほどかかることが多い傾向にあります。
もっとも,慰謝料の金額のみの争いであるケースでは治療終了から1か月もかからないこともありますし,過失割合や休業損害等で見解が対立するケースでは,ある程度時間がかかることもありますので,上記の期間はあくまでも目安にすぎません。
また,後遺障害が残るケースの場合は,自賠責に対する後遺障害認定手続きを先行して行うこととなります。後遺障害認定には,申請から約1か月半から2か月程度の時間がかかります。
示談交渉がまとまらない場合は,調停や訴訟といった,裁判所での手続きに移行します。
裁判は,およそ月に1回のペースで期日が開かれ,裁判所の和解案が示されるまでに5,6か月程度かかります。
裁判所の和解案が受け入れられない場合は,判決手続きに進むことになりますが,この場合はさらに数回の期日が重ねられることになりますので,場合によっては解決までに1年近くかかることもあります。
このように,解決に至る道筋や,要する時間も様々ですので,詳細なスケジュールを知りたい場合は,担当の弁護士に問い合わせることが必要です。
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