危険運転致死傷罪とはどんなものですか?
1 危険運転致死傷罪について
危険運転致死傷罪は、過去に飲酒運転による交通事故が多発したこと等から、平成13年に定められたものです。
危険運転致死傷罪は、飲酒運転や無謀な高速運転等、基本的な交通ルールさえ守っていない運転により発生した交通事故について、被害者が負傷した場合には15年以下の懲役に、被害者が死亡した場合には1年以上の懲役に科するものとするものです。
2 どのようなときに適用されるのか
危険運転致死傷罪に当たるケースとしては、以下の場合があります。
⑴ 酩酊運転致死傷罪
飲酒や覚せい剤等の薬物により、正常な運転ができない場合がこれに当たります。
シンナーや睡眠薬等を使用した場合も、これに当たります。
⑵ 制御困難運転致死傷罪
制限速度の超過の程度が著しく、ハンドル操作等が困難な程、高速で運転を行った場合に適用されるものです。
制限速度を50㎞以上超過した場合等に適用されることがあります。
カーブや凍結した道路等、道路条件が悪い場合は、50㎞の超過に至っていなかったとしても、適用される可能性があります。
⑶ 未熟運転致死傷罪
運転技術が未熟であるにもかかわらず、無理な運転を行った場合が該当します。
免許が取り立てである場合を念頭に置いたものです。
他方、無免許であっても、日常的に運転を行っている方が事故を起こした場合は、未熟運転致死傷罪には該当しません。
⑷ 妨害運転致死傷罪
他の自動車や歩行者等の通行を妨害した場合に適用される場合があります。
たとえば、無理な割り込みや幅寄せを行った場合がこれに当たる可能性があります。
⑸ 信号無視運転致死傷罪
故意に赤信号を無視した場合等、信号機の指示に従わなかった場合に適用されるものです。
3 交通事故を防ぐために
危険運転致死傷罪が設けられたことにより、飲酒運転の発生率が減少したとの統計もあり、この罪が設けられた目的は、一定程度達成されたと言われています。
他方では、飲酒等に起因する悲惨な事故は現在でも発生しているため、さらに厳罰化をすべきではないかとの声もあります。
交通事故が多発する地域は、名古屋も例外ではありません。
悲惨な事故を防ぐためにどのような対策が取られているかについて、詳しい知識を持っておくことは、重要なことだと思います。
交通事故案件を弁護士に依頼してからの解決までの期間はどのくらいですか? 交通事故に遭ったのですが、どのタイミングで弁護士に相談すべきですか?