『交通事故』の被害相談 by 弁護士法人心 名古屋法律事務所

交通事故被害相談@名古屋

交通事故による怪我が原因で失職してしまいましたが,失った収入分について賠償してもらえますか?

  • 文責:弁護士 上田佳孝
  • 最終更新日:2020年2月20日

1 失業後も休業損害を請求できる場合がある

休業損害は,本来得られるはずだった収入が,事故により働くことができず得られなくなってしまったという損害です。

失業してしまったら,元々得られる収入はゼロになるため,休業損害は認められないという考え方があり,実際,保険会社がそのような理由で支払いを拒むケースもあります。

もっとも,事故により失業を余儀なくされたという場合は,そもそも事故がなければ失業せずに働くことができ,収入を得られたのですから,この場合は,失業後も休業損害を請求できる余地があります

2 交通事故が原因で失業したかと認められるかがポイント

保険会社に交通事故とは無関係の自己都合退職だと思われてしまうと「退職は自己都合によるものであり,退職後については1円も収入がない状態なので,休業損害を支払えません」などという主張をされるおそれがあります。

もともと退職を考えていたわけではないことを示す資料として,例えば,「退職願」にはっきりと,「事故による受傷が原因で現在の業務に支障がでており,身体に負担がかからないような部署に配置転換してもらうことも難しいので,やむを得ず退職する」などという内容を書かれていると有利に働くものと考えられます。

3 休業の必要性があったことも重要

また,主治医の先生に,しっかりと現在の仕事内容を伝え,当該仕事内容で,当該身体状況であると,最低あと何週間は休業の必要性があるということを診断書等で明確にしてもらうことも重要です。

医師の診断書がない場合には,休業の必要性かつ妥当性がなかったとして,退職の有無にかかわらずに,そもそも休業損害自体が賠償されないということにもなりかねないのです。

4  休業損害額の算定式

休業損害は,「収入日額×認定休業日数」で計算されます。

⑴ 収入日額について

収入日額については,退職後も,基本的には,退職直前まで勤務していた勤務先の給料が参考にされることが多いです。

計算方法としては,事故前3か月間の合計総支給金額÷90日で計算されます。

もしくは,賃金センサスの金額が参考にされることもあります。

この点については,職業や勤務形態等のご事情によって異なってきますので,弁護士が詳細にお話しを聞かせていただいたうえで,弁護士が判断していくことになります。

⑵ 認定休業日数

認定休業日数については,注意が必要です。

基本的には,事故日から完治日ないしは症状固定日(医学的に治療を継続してもこれ以上の症状改善が見込めない状態であると主治医が判断した日)までに,仕事を休んだ日数分についてが休業日数として扱われます。

事故により失業した場合には,症状固定または再就職できるまでの期間について損害賠償が認められることが多いといえます。

5 失業保険との関係

会社を退職した場合,失業保険を受け取れる場合があります。

失業保険は,失業者の生活安定を図り,再就職を支援することを目的とした社会福祉的給付であり,損害の補填を目的とする休業損害とは性質が異なります。

そのため,失業保険をもらっているから,休業損害を受け取れなくなるということはありません

その他,休業損害についてご相談がある方は,名古屋近辺にお住まいの方は,当法人の弁護士までご相談の予約をいただければと思います。

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交通事故を防ぐ

自動車事故対策機構という独立行政法人があるのをご存知でしょうか。

本部を含め全国で10拠点ある機構で,通称NASVA(National Agency for Automotive Safety & Victims’ Aid の略称で,「ナスバ」と発音する)と呼ばれています。

東海地方では名古屋市に主幹支所があり,人と車の共存を理念として,自動車事故の発生防止及びその被害者への援護のために業務を行っています。

「守る」「防ぐ」「支える」の3つの柱からなっており,

「守る」は,安全な自動車の普及・促進をはかるために、中立公正な立場で自動車アセスメント情報を積極的に公表

「防ぐ」は,交通事故の発生防止のために,運行管理者指導講習,運転者適性診断,安全マネジメント講習会,運輸安全マネジメント評価・コンサルティング等の実施

「支える」は,自動車事故による被害者の方の援護のために,介護料の支給や医療施設の設置・運営による重度後遺障害者への援護や,育成資金の無利子貸付や友の会の運営・家庭相談による交通遺児等への援護

などを行っています。

交通事故に遭ってお困りの方もたくさんいらっしゃるので,もちろん事故に遭われた方の救済等は本当に大切だと思うのですが,交通事故を起こさない,未然に防ぐ取り組みもとても大切です。

交通事故のケガで仕事を辞めることになったら

交通事故によって負ってしまったケガの種類や程度によっては,事故後に仕事を続けられなくなることもありえます。

もちろんそうなってしまうと事故被害者の方にとっては損害が生じることになりますので,その損害を交通事故の相手方に賠償してもらう必要があります。

ですが,全ての損害が絶対に認められ賠償されるというわけではありません。

交通事故により失職してしまった方,失職してしまいそうだという方は,こちらのページをご覧になってください。

このような交通事故による損害について適切に認めて支払ってもらうためには,退職願や診断書の記載などがとても大切になることがあります。

しっかりと現在のケガの症状や自分の仕事内容について伝えていく必要もありますので,適切な交通事故の賠償を受けるためにもお早めに弁護士法人心 名古屋法律事務所の弁護士にご相談ください。

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