中間利息とは?ライプニッツ係数と賠償金の計算方法
1 逸失利益について
交通事故にあい、後遺障害が残ってしまった場合、この後遺障害は、被害者の今後の労働能力に影響を与えます。
そうすると、収入が減ることになります。
後遺障害による減収分は、「逸失利益」として、損害賠償請求の対象となります。
このとき、「中間利息」というものが考慮されます。
2 中間利息とライプニッツ係数
交通事故による損害賠償金は、通常一括で支払われます。
しかし、逸失利益は、将来の収入の減少分になるわけですから、本来5年先、10年先に受け取るはずのお金を先に受け取ることになります。
そして、先に受け取ることができたお金は、銀行の普通預金や定期預金によって利息がつきます。
このように、お金は手元にあるだけで価値があるものと考えられることから、これを「中間利息」というかたちで考慮していきます。
民法上の法定利率が年3%であることから、この年3%の利息を基礎に、中間利息を控除することになるわけです(令和2年4月1日以降に発生した交通事故の場合)。
この中間利息を考慮した逸失利益を算定する際に利用する係数が、「ライプニッツ係数」です。
たとえば、後遺障害が残ったことにより、毎年100万円の減収が見込まれたとします。
中間利息を控除して計算すると、1年目から順番に、
100万円÷1.03≒97万874円
100万円÷1.03÷1.03≒94万2596円
100万円÷1.03÷1.03÷1.03≒91万5142円
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となっていきます。
減収することとなる期間分についてこのような計算をして得られた各年度分の合計額が逸失利益となるわけですが、このような計算をするのは極めて煩雑となります。
ここで、ライプニッツ係数を利用すれば、
100万円×8.530(10年に相当するライプニッツ係数)=853万円
と計算するだけで、10年分の中間利息を控除した逸失利益を算定することができます。
実際には、減収分が100万円ちょうどになるわけではありませんし、20年分以上計算しなければならない場合があることを考えると、ライプニッツ係数を利用することで、算定が容易になっていることがわかるかと思います。
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