ライプニッツ係数とは?交通事故慰謝料計算サポート
1 中間利息控除(ライプニッツ係数)とは
⑴ ライプニッツ係数は何か
ライプニッツ係数とは、将来受け取るはずの金銭を、損害賠償の段階で前倒しで受けたるため、得られた利益を控除するために使う指数です。
交通事故の損害賠償請求においては、主に、後遺障害による逸失利益を計算する際に用いられます。
⑵ 受け取れる賠償額についてのルール
例えば、1年後に100万円を受け取るはずだったものを事前にもらったとします。
この場合、100万円を1年早く手に入れる事になるので、1年の間、本来よりも早くそのお金を使うことができることになり、利息という利益が発生する事になります。
交通事故にあったことを考慮しても、被害者が将来得られるはずの利益を前倒しで受け取ることにより、本来よりも多い利益を得るのは妥当でないとして、前倒しされる期間の利息は差し引かれるべきというルールになっています。
発生する利息については、民法で定まっている年利3%で計算されます(令和2年4月1日以降に発生した交通事故の場合)。
そのため、1年後に受け取れるはずの100万円を、現在の価値に直した場合に、受け取れる金額は、97万874円(=100万÷(1+0.03))となります。
これが1年ではなく、2年後に受け取れるはずの100万円を現在受け取るとなると、現在受け取ることのできる金額は94万2596円(=100万÷(1+0.03)²)となり、かなり計算が複雑になります。
⑶ ライプニッツ係数を用いると
これを計算しやすくした数値がライプニッツ係数です。
例えば、「年収500万円の人に14級の後遺障害が5年間残る場合」について考えてみましょう。
14級の後遺障害は労働能力喪失率5%であり、5年のライプニッツ係数は4.580となります(令和2年4月1日以降に発生した交通事故の場合)。
したがって、この損害の賠償を一括で請求すると、114万5000円(=500万円×0.05×4.580)を現在受け取れることになります。
このように、もらえる金額と年数から計算される合計金額にライプニッツ係数を掛ければ、現在受け取ることのできる金額が算定できるようになっています。
2 交通事故の賠償・慰謝料の請求は弁護士にご相談を
交通事故にあってしまって、賠償額の計算方法がわからない、もっと高額な適切な慰謝料を受け取りたいといった場合には、弁護士法人心までご相談ください。
弁護士法人心では、交通事故を集中的に取り扱う交通事故チームの弁護士が、交通事故の賠償において獲得できる金額について計算させていただき、ご相談に乗らせていただきます。
交通死亡事故被害者-年金受給者の逸失利益 子ども(幼児・児童・学生)の賃金センサスの男女の差について