交通事故で6か月通院した場合の慰謝料
1 交通事故の慰謝料
交通事故の被害にあい、身体に怪我を負ってしまった場合、事故によって被った精神的な損害への賠償、すなわち慰謝料も、相手方に求めることができます。
慰謝料には、入院や通院を余儀なくさせられたことに対する慰謝料(入通院慰謝料)と、後遺障害が残ってしまった場合の後遺障害慰謝料があります。
ここでは、6か月間通院した場合の入通院慰謝料について説明いたします。
2 慰謝料の計算基準
慰謝料の計算基準には、自賠責保険の基準(自賠責基準)、任意保険会社独自の基準、弁護士基準(裁判基準)の3つがあり、どの基準で計算するかによって金額が大きく変わってきます。
⑴ 自賠責基準の計算方法
自賠責基準の慰謝料は、実際に通院した日数の2倍か総治療期間のいずれか少ない方に、4,300円をかけあわせた金額となります(令和2年4月1日以降に発生した交通事故の場合)。
例えば、6か月間通院した人の実際の通院日数が60日であった場合、60日の2倍である120日は、総治療期間180日よりも少ないため、120日×4,300円により51万6,000円が慰謝料ということになります。
ただし、自賠責保険は、治療費等を含めて合計120万円までしか支払われません(後遺障害については別)。
治療費等の金額が高額になっている場合、自賠責からは、合計120万円を限度とした慰謝料しか払われないことになります。
例えば、治療費等の合計が75万円になっているときは、慰謝料としては上限45万円しか払われないことになるのです。
⑵ 任意保険会社の基準
任意保険会社の基準は、自賠責基準より多少高額であることが多いですが、保険会社も営利企業であるため、基本的には次に述べる弁護士基準に比べて低額である場合がほとんどです。
⑶ 弁護士基準
弁護士基準は、自賠責基準や任意保険会社基準と比較して高額となっています。
弁護士基準では、骨折など重傷のケースか、むちうちや打撲など比較的軽傷のケースかによって、計算方法が異なります。
原則として、入通院期間によって慰謝料の額が決められます。
6か月通院した場合は、骨折など重傷のケースだと116万円、他覚的所見のないむちうちなど比較的軽傷のケースでも89万円が慰謝料の額となります。
なお、これは、あくまでも一般的な基準額ですので、具体的な事情によって、増減されます。
3 しっかりと示談交渉をすることが重要
このように6か月通院した場合の慰謝料については、どのような基準で計算するかによって何十万円と違ってくるということが少なくありません。
相手方が率先して高い基準でも慰謝料の支払いを申し出てくれることはほとんどありませんので、弁護士に依頼するなどして、しっかりと交渉することがとても重要です。
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